あたしには、10歳年の離れた姉がいる。
一度も会った事はない。
でも、いつか会える、会おう、会いに行こうって
もう20年以上想ってる。
姉の名は、 「 かずこ 」 。
あたしが初めて、かずこの存在を知ったのは中学んとき。
母親が、再婚だったってゆーのも そのとき初めて知った。
別に嫌な気持ちもなく、むしろ会いたい、会ってみたいって思った。
でも、どうやって会おう。 かずこはきっと、あたしの存在を知らない。
自分の母親が再婚して、子供産んで・・・ くらいの想像はしてるかもしれない。
母親のことをなんて思って生きてきたんだろう。
捨てられたって憎んだりしたのかな?
会いたいって、探そうとしたのかな?
今でも会いたいって思ってるかな?
あたしから探したら、会うの嫌がるかな?
それとも、迎え入れてくれるかな?
かずこに会いたいなんて、母親に言っていいのかもわからずに
とにかく20年間いろんなこと考えたりした。
兄弟は?って聞かれたら、いつも
「 会った事ないけど、10歳上にお姉ちゃんいる 」
って笑顔で答えてた。
かずこは、そんなあたしの存在を想像したりしたことあるのかな?
土地の所有権がどうのとかで、母親宛にに弁護士から手紙が届いた。
その権利は、元旦那からかずこへ
そして、かずこから母親へと譲渡されたものだった。
その手紙の意味は 母親の元旦那と、かずこの 死 を意味するものだった。
—- かずこは平成19年に自殺で亡くなっていた —-
亡くなる寸前まで住んでいたのは、2つ隣の駅
三軒茶屋 だったと知らされた。
そんなに近くに居たんだ。
あたしも、しょっちゅう出歩く場所。
どこかで、すれ違っていたかもしれない。
瞬間的に目を合わせたり、すれ違いざまにぶつかって謝ったり
もしかしたら、会話のひとつもしていてもおかしくない・・・
そんな近くに居たんだ。
もし、あたしがもっともっと早くに、かずこに会おうって決意して
探し出して、巡り逢えてたら・・・
仲良くなれても、なれなくても・・・
結婚もせず、独り身で、父親を失い、独りぼっちになってしまった
かずこは、母親にもう1度逢えてたら甘えることが出来たのかな?
そしたら、かずこは自殺なんかしないで済んだのかな?
もし人の命の長さが決まってるとして
その時が、かずこの寿命だったとしても
心の闇をかかえたまま、独り寂しく逝くことはなかったんじゃないかと。
そして、あたしじゃ助けられないから逢えなかったのかと悔しく思う。
かずこの小さい頃の写真を見せてもらった。
幼稚園くらいまでの写真しかなかったけれど
あたしの小さい頃とよく似ていた。
心体ともに弱り、自分もそう永くはないと自覚している母親は
近々そのアルバムを捨てるつもりだったと泣きながら言った。
あたしには、かずこが母親に
「 二度も捨てないで 」って、「 あたしの分まで頑張って生きて 」って
そう言ってるように思えた。
今まで散々やりたこと、やりたいようにやってきたあたし。
家族や身内に迷惑かけながらでも、自分の道進んできた。
失敗してもいい、痛い目みてもいい、
やらないで後悔するのが一番嫌いだったから。
そして、その経験を成功につなげればいいって思ってきた。
だから、あたしの人生に 失敗はあっても 「 後悔 」 はない。
でも、もうかずこは居ない。 かずこには逢えない。
逢わない方が良かったとしても、なにひとつ行動を起こさなかった。
逢おうとして逢えなかったのとは違う。
そして、あたしは今まで人の為に生きようなんて思ったことなかった。
自分の子供にさえ、言ってきたこと。
「お前にはお前の人生があり、あたしにはあたしの人生がある。
どちらかが主役で、どちらかが脇役でもない。
もちろん、間違ったときは、怒るし、道を正そうとするだろう。
でも、道さえ外さなきゃいい。
お前の人生なんだから、お前の好きなように生きろ 」 と。
・・・けど、今年の夏、あたしは初めて 「 後悔 」 をした。
そして
「 初めて人の分まで、かずこの分まで生きて幸せになろう 」
って思った。
ありがとう、かずこ。 ありがとう、お姉ちゃん。



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つまらないもので - 虹裏 may つまらないものですが・・・ [返信]](http://24.media.tumblr.com/tumblr_lg8yw1XpeC1qzezhmo1_250.gif)

